JUVY TCにお寄せいただいた会員の声     

 現在、110mHのトップアスリートとして活躍中の吉永一行君から『会員の声』が寄せられましたので掲載させていただきます。(平成24年9月)

                                                    
                                                     吉永 一行
 陸上競技を始めて12年が経ちました。始めた当時の私は高校1年生。中学校時代は野球部だったのでまったくの陸上初心者・・・でもなく、実は小学校時代は陸上競技が好きで学校の陸上クラブに入り、春や秋には佐野スパルタ倶楽部が主催する試合に出場していました。種目は100m、200m、走り幅跳び、リレー。県大会にギリギリ出場するくらいのレベルでしたが、同級生たちと楽しみながら走ったり跳んだりしていました。試合には出場しませんでしたが、ハードル走も好きで何回か練習しました。私が現在の専門種目である110mハードル走を始めたのは23歳になってから。始めて2年後には日本選手権で入賞することになりましたが、当時はまったくの未知でした。そんな未知の種目であったのにも関わらず、種目に取り組む前から「この種目でいけるかもしれない」と考えられたのは、小学校時代に体験したハードル走の心地よいリズムが身体の中に残っていたからかもしれません。
 
 私が高校1年生の年は、シドニー五輪の年でした。女子マラソンの高橋尚子選手が1位でゴールテープを切ったとき、私は合宿させてもらっていた明治大学の先輩方と、司若寮(現在のJUVYクラブハウス)のテレビでその瞬間を眺めていました。それから12年、目標は常にオリンピックに置いていました。しかしながら、シドニー大会の後アテネ、北京、ロンドンと開催されていきましたが、いずれも出場は叶いませんでした。
 次は4年後、リオ五輪。目の前の課題をひとつずつクリアーしながら、また挑戦しようと考えています。

 これまで陸上競技を続けるなかでたくさんの経験や学び、成長を得ることができました。それらはすべて「出会い」という言葉で表せられるような気がします。その出会いにも二つの意味があると思っています。ひとつは、競技と真剣に向き合う中で見えてくる自分との出会いです。陸上競技に限った話ではありませんが、好きで何かを続けていても、思うようにいかないことや苦悩することはあるはずです。楽なことばかりではありません。だからこそ創意工夫し、自分を成長させていく。その過程の繰り返しの中で新たな自分に出会えてきたような感じがします。私の場合は、12年間書き続けている練習日誌があるので、自分がどのように変化してきたかをある程度確認・実感することができます。
 
 もう一つの出会いは、陸上競技をやっていたからこそ生まれた多くの方々との出会いです。仲間やライバルとの出会いによって自分を成長させることができたのはもちろん、先生方やコーチ、トレーナーの方々あるいはそれ以外の方々など、陸上競技を通じて生まれた出会いや関係は「有難い」の一言です。陸上競技を含めたスポーツにおいては、勝つことや記録を出すことは重要なことであり、それを目指して努力することは価値のあることだと思います。しかし、それ以外にも大切にするべき価値があることを、自分との出会いや多くの方々との出会いを通して学んでこられたように感じています。
 
 ここ数年は毎年のように怪我をし、身体のどこかしらに違和感を抱えながらの試合が続きました。はじめはそれは悪いことだと捉えていましたが、最近では、良い身体の状態を目指しながらも、違和感を身体からのサインとしてうまく付き合っていくようにしています。サインが強い場合は、姿勢や筋力の崩れが生じていることがほとんどなので、それに応じてトレーニングを調整するようにします。決して気持ちの良い作業ではありませんが、身体との対話から学ぶことは多く、まだまだやるべきこと、やれることは多いなと感じています。
 
 競技を続けることだけがすべてではありませんが、できるところまで続け、これからも自分の身体を使って学んでいきたいと思います。同時に、競技を通じたこれまでの出会いを大切にし、これから起こる出会いも楽しみにしていきたいと考えています。



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