時々康駿    第10回(2012.7.13.)       

 本日は13日の金曜日、しかも仏滅。この日を選んだわけではないが、「週刊」から「時々」に変えることにした。「時々」は「ときどき」ではなく「じじ」と読んでほしい。ただし「なんだ爺」かなどとと考えるのは自由である。 そのうち、バックナンバーもエッセイに保存する旨管理人にお願いする。


 退職した時「今までできなかったことをやりたい」と話していたが、今までできなかったことを総括すると何かいな?との疑問が多少解決できた。それは、時間に支配されることなく物事を心行くまで行うことができる、ということであった。

 9日月曜日朝、全米女子オープンゴルフを自宅内時差で観た。自宅内時差とは、LIVEで録画したものを都合でずらして観ることにより生ずるもので、途中経過をインターネット等で調べない限り、我が家の中では完全なるLIVEなのである。しかも、何時まで観ていても「先生、仕事ですよ!」などという人も思う人もいない。なぜマスターズのときはこのことに気づかなかったのだろうかね。

 ここのところ毎朝4時ころに起きて専門書を読み、6時過ぎに家人と犬と散歩する。
 今のところこの時間帯が私のダイヤモンドタイムである。専門書を読んでこれまでの知識を洗い、散歩しながらドリル再開発の確認をする貴重な時間なのである。その後畑を見たり、PCを見たり、机上のメモを見たりしながら1時間。ここで一日の計画を立てる。そうして起床後4時間にして朝食となる。

 ところがこの日は散歩も短めにしてテレビの前に座り込んだ。
 日本からも多くの選手が参加した全米女子オープンだったが、決勝ラウンドに進んだのは3名のみ。マスコミはこぞって盛り上げようとしていたが、私には別にお目当ての選手がいた。2日目にチラッと映し出された選手であるが、その選手が3日目に爆発した。USAを拠点に戦うKoreaのNA YEON CHOIといい、日本語読みではチェ・ナヨンと読む。いかにもアスリートを思わせる体のライン。そこから生み出される奇麗なスィング。感情を表に出さない東洋的魅力を秘めたマスク。この選手はサモトラケのニケ(勝利の女神)が生まれ変わって地上に降りてきている、と思わせた。

 全米女子オープンは4日間で行われる。この4日間競技は実力プラス運がなければ勝てない。1日なら一生分の運を使えば勝てるかもしれないが、4日間も運を持続することはできまい。もっとも運は操作できないのだが。だから実力で勝てるよう頑張るしかない。

 最終日、最終組を回る彼女も6打差でハーフターンしての10番ロングホールのティーショット。打った瞬間はナイスショットかなと思われた一打が大トラブルとなり、そのホール上がってみればトリプルボギーの8。
 11番のティグラゥンドで私ははっきりとした言葉で「頑張れ」と言った。感情もこもっていた。後から考えれば、実際にはすでに終わっていたのだがね。そうして11番バーディ。ところが12番では再び第2打をトラブルしながらパーで上がった。
 この3ホールまるで大神が地上におりたニケを試しているように思えたね。10〜11番では「意志力」を12番では「判断力」を。こうなると大神はニケを認め彼女にご褒美を与えるしかない。13番ショートでは信じられないことに、池の縁の石垣にあたったボールがグリーン奥に転がり出てきたのである。そうしてパー。後は彼女の独壇場であった。

 スポーツは筋書きのないドラマと言うけれど、テレビでは何とか筋書きを作ろうと、そうなってほしいと必死にやるね。私のスポーツ番組の一番嫌いなところだ。箱根駅伝などその最たるものだね。

 危うく私も10番で悪魔(筋書きのないはずのドラマに無理やり筋書きを作る者)に引きずり込まれそうになったが、「いや。ここはどんなことが起きても彼女が勝たなくてはいけないんだ」と強く思った。
 そう、彼女はそれほど魅力ある女性だったのだ。
 それにしても、彼女誰かに似ているのだが、誰だったけかな。



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