時々康駿    第7回(2012.6.19.)       

 スポーツにおける「集中」とはある意味「度胸」に直結してはいないか?
 例えば「大草原の中で裸で熟睡できる人間」などをイメージすればよい。
 私はこのようなことができる人間にはなれなかったし、今後もなれないだろう。しかし、大きな試合に行き、弱気の虫が這い出してくると、このような人間になって会場を歩けるようにイメージしてきた。酔った時の状況になるように努めると、ふっとできたこともあるが、これは心のドーピングと思い、今ではやめている。

 「集中」と対をなすものとして「緊張」がある。
 緊張は「対人」と「対物」、すなわち外からのストレスでおきる。これらに「未知との遭遇」が加わると、あっという間に緊張が高まる。
 また、「考えなくてもよいこと」や「考えても解決できないことを考えること」によってもおこる。
 私は6月7日に佐野を発ち、途中一晩だけ荷物の交換に家に戻り18日まで、日本選手権と関東および東北高校を回戦してきた。日本選手権や高校の地区大会を見ていると「対人」と「対物」に振り回された選手がたくさんいた。
 「対人」は「ライバルや初対面の相手」と言ったらよいか。「対物」は「いつもと違う競技場や目の前にちらつくロンドンや新潟のチケット」か。

 緊張に感をつければ全く異なる言葉となる。
 「緊張」か「緊張感」かを見抜き、適切なアドバイスができることは指導者としての才能である。多くの指導者はこれができない。いや、それだけではなく緊張している選手にひけをとらないくらい、一緒になって緊張する。

 この二週間を終えてあらためて感じたことを話しておく。
 それは、何を言っても「伝わらない」選手とのやり取りの情けなさ、と「伝えたいことがあっても伝えさせてもらえない」ことのつらさ、の二つだった。このことは決して言語力の問題だけではないからね。特に後者は二度と味わいたくないね。

 大試合で実力を発揮するための訓練はたくさんあるが、一番良いのは外国一人旅かもしれない。国内なら、見知らぬ土地を一人ぶらっとたずね、値段のわからぬ店に入り、一人静かに勘定など気にせずに飲める精神力かな。
 まあ、あまり選手には薦められない。一歩間違えば大変なことになるからね。

 老婆心ながら「草原熟睡集中法」は女子には応用不可。また授業中の居眠りや早弁では精神力のトレーニングにはならないので、念のため。

 長旅から帰ってきたら、胡瓜・ピーマン・獅子唐・トマトがなっていた。うれしかったね。それよりも雑草の強さにも驚きを通り越し感動を覚えた。
 この台風が去ったら、また百姓に戻ります。



「時々康駿」バックナンバー
     第1回(H24.05.01)
     第2回(H24.05.08)
     第3回(H24.05.13)
     第4回(H24.05.24)
     第5回(H24.05.31)
     第6回(H24.06.06)



  ・VUVY TC HP 連載 「康駿視点」バックナンバー 
  ・Circle-VUVY8 HP 連載 「JGMからの”四季の風”」 バックナンバー へ